トランスメディア提供アイコン01 コミケ69冬コミレポート         万物持論 その2

「それで、もうひとつのFワーズはなんなんですか?
小さいほうは?」
「ほんとうにおわかりになりませんか? ではヒントを。
論争相手のオタクを黙らせようと思ったら、考えうるもっとも知的に陳腐な方法とはなんでしょう?」
「答えをいってほしいんですが。なぞなぞは苦手なので」
「論争相手のオタクを“きんもーっ☆(feel bad)”と罵倒することです。
 仮にあなたがわたしを、“きんもーっ☆”といって非難したとしましょう。それがじっさいに意味するところとは?
いったいなにをしたら、そんなふうにいわれるのか?
少女が平然と人を殺す漫画を読んだとき?
ゲームの中の子犬を溺愛してるとき?
カラオケボックスでアニソンばかり歌って「あの肉」を食べたから?
「マリア様が見てる」に萌えても「NANA」に感動しなかったから?
それとも単に、人生のあゆる局面であなたと寸分違わぬ感情をもてない――あるいは、もとうとしない――からですか?
あなたの価値観と目標のすべてを共有できないから?
 だれかを“きんもーっ☆”呼ばわりすることは、相手を変質者の同類あつかいすることです――そうすることで、あなたは相手の考えについてきちんとしたことをなにもいう必要がなくなる。また、それがあたかも広範な世論であり、あなたには不快感にあえぐ多数派がついていて、とことんあなたを支持しているかのような顔ができる……」






12月30日(コミケニ日目)

●2:00~


起床。もくもくと朝食をとり、PCでネットを見て最後の情報収集。その後テレビで昨夜録画しておいた番組をチェックしながら全身にカイロを貼り付けていく…つもりだったが、見た番組が「とんねるず みなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で、見入ってしまい、危うくスケジュールを乱しそうになる。
なんとかカイロ貼り付けと着替えを終え、装備チェック。今回は昼食が大幅に遅れるのを見越して、腹持ちのいいエンゼルパイを入れておく。
3:20に家を出発。歩いて山手線大崎駅まで向かう。
寒くて暗い中、なんとか4:05ごろ大崎駅へ到着。数分後に券売機のシャッターが上がり、さらに数分後改札が開く。
今回も切符で改札を通る。一旦トイレで用を足し、山手線ホームへ。
4:25ごろ山手線始発がホームに入る。勘で決めた車両に乗り込み、数分後大崎駅を発車。

●4:35~
田町駅に到着。今回は超過密スケジュールなので今回も「田町からタクシー」で行く。
乗った車両は上手い具合に上りエスカレーターの前で止まる。
エスカレーターを上り、改札を出てタクシー乗り場へ。
乗り場にはタクシーが一台だけ止まっていた。
しばし待つと、どうやら同志らしきあんちゃんがやってきた。きいてみるとやはりコミケ一般参加者だった。相乗りはOKしたのだが、彼が「もう少し待ちましょう」と提案したのでしばし待つと、また同志らしきあんちゃんが。
彼にも相乗りを持ちかけると「うち、三人なんですよ…」という返答。
これは困った。タクシーは4人までしか乗れない。しかしこの場には5人の人間が来ている。仕方が無いので最初に相乗りを持ちかけたあんちゃんと二人で乗ることになった。残された三人が無事タクシーに乗れることを祈りながら。

●タクシーの中
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レインボーブリッジを渡っている時に車内から撮った写真。車の振動のせいですごくブレて、偶然にも非現実的な世界が撮れた。なんだか「2001年宇宙の旅」みたいである。
手ぶれ防止機能付きのカメラが欲しくなるが、車のブレにも対応しているのだろうか。

●4:50~
タクシーの中で、前の方に座った相乗りのあんちゃんに1400円をあらかじめ渡しておく。だいたい2600円弱で来れたようである。
お礼を言って即座にタクシーを降りる。
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会場はまだまだ真っ暗で、しかも風があって寒い。最高最低気温ともに昨日よりも高いはずなのだが。とにかく待機列の最後尾を探す。暗い中何度か見失いかけながらもなんとか最後尾に並ぶ。
なぜかビッグサイトの逆ピラミッドを背にして並ばされる。まずは今日会場で待ち合わせる予定の知人にモーニングコール。しばし後、行列が移動し始める。大きく方向転換した後、やぐら橋ふもとの第二ブロックとも言うべき列に並ばされる。
これでやっと定位置に着いたようなので、カバンから折りたたみ携帯シートを取り出し座る。列の端側に並んだせいか、人の壁があまり効かず、風が入ってくるが、全身12箇所のカイロのおかげでなんとか持ちこたえる。
とりあえずチョコレートを食べて公衆トイレへ赴く。公衆トイレでは既に行列ができていて、ここで早くも「ここが最後尾」看板を持たされた。10分ほど待って用を足す。

待機列に戻り、ワンザ有明に行く時間まで何とか「通勤ヒトフデ」で時間をつぶす。GBASPなので暗い中でもちゃんと画面が見れるのがうれしい。
だんだん空が明るくなってきた6:40ごろ、昨日と同じくエビアンを持ってワンザ有明へ。

●7:00~
ワンザ有明開館。
昨日と同様、またも入り口で詰まる。ほんと、今回の一般参加者はどこかあせっているような感じを受ける。
なんとかサブウェイへ行きサンドイッチを購入。
「5分でどきますから。」と言ってなんとか相席を取る。もくもくとサンドイッチを食べきり、お礼を言ってそそくさと席を離れる。昨日同様エビアンを飲みきって館内のトイレで用を足し待機列へ戻る。
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列に戻り7:40ごろ撮った写真。大晦日一日前の日の出。このイベントに来るとやはり感慨深いものがある。
ふたたび通勤ヒトフデで時間をつぶす。
8:10ごろ、昨日同様軽い尿意を感じるが、公衆トイレのほうを見るとかなり長い行列ができていた。とりあえずトイレはあきらめ、攻略中、折を見て早い段階でトイレに入ることにする。

●8:40~
コミケ準備会スタッフの方がやってきて早めに移動が始まる。どうやら急いでるのは一般参加者だけではないようだ。
8:50分には隣のブロックの列が動き始め、やぐら橋を渡る。その10分後には私のいるブロックもやぐら橋を渡り始めた。
9:10ごろ、やぐら橋を上りきった、逆ピラミッドを眼前にする広場で一旦停止。20分後には再び移動が始まる。9:40ごろ、入り口で圧迫されながらやっとこさ館内へ。渡り廊下「イゼルローン回廊」の方へ進み、その入り口手前で止まる。9:45ごろ、「夢の中へ」が流れ、10:00にコミケ二日目開催のアナウンスが流れる。
拍手をしたかどうか忘れてしまっているが多分やったのであろう。

●10:00~
すさまじい人ごみの中エスカレーターへ乗り込む。ここでも一般参加者がかなり急いでるのを感じる。圧迫されつつもエスカレーターに乗り、東123と東456の間の通路へ降りる。そのまま東123へ入り、目当てのブースへ…
とおもったら、通路側から、建物外の方へ向かって大量の一般参加者が更新している。いつごろから始まったのかわからないが、会場後一定時間、一方通行になっているようだ。仕方が無いので一旦外に出て遠回りして攻略を進めることにする。

なんとか第一目標へ赴き即座に同人誌購入。その後第ニ、第三目標を順調に攻略していく。時計を見ると10:25あたり。いよいよ毎度販売制限をかけているサークルのブースへ赴くことにする。近くにトイレがあるので一旦トイレで用を足し、建物の外へ出て並ぶ。

●10:30~
最初外に出た際、最後尾の位置はつかんでいたのですぐに並べはしたのだが、今回は普段よりも行列が短い。一応目算で30分以上は待つことになりそうだが、果たして販売制限をすり抜けられるかどうか。既に開場時は限1だという情報が流れていた。
不安な中、モーニングコールをかけた知人とはまた別の、このサークルの同人誌を依頼していた知人から電話が。しかし通話が途切れがちで、一旦切ってかけなおすもなかなかつながらない。やっとこさ通話が上手くできた際には向こうの問題は解決していた。とりあえず販売制限をすり抜けるのはギリギリのようだという旨は伝えておく。
寒空の下、しかし太陽は昇っているので直射日光に顔を軽く焼かれながら、顔だけ少しだけ暑い中、およそ25分後、なんとかブースの様子が見れる位置まで着く。どうやら既に販売制限は解除された後のようだ。ブースで2冊以上買っていく一般参加者がいる。行列を整理しているサークルのスタッフに聞いてみると限5になったそうである。安堵した後5分後には知人の分を購入。携帯で先ほどの知人に購入成功の知らせを送り、東123の残りの攻略サークルへ赴く。

●11:10~
東123を攻略し終わった後は一旦西館へ。なぜかというと熱望していた某特撮番組の同人誌を出しているサークルがあるからだ。小腹がすいたのでエンゼルパイを一口で食べ、人通りの激しいイゼルローン回廊を急ぐ。西館に着いたら真っ先に目的のブースへ。無事同人誌を購入した後、一旦休めるスペースへ赴き、パック入りアクエリアスを1つ飲みきり、再び東館へ。

●11:30~
今度は東456の方へ、こちらでは行列の必要の無いサークルを順次攻略していく。途中予定外の面白そうな本も見つけるが、最後に東館に戻った際にお金が残っていたら買うことにする。
そんな感じでいくつかサークルを見回っていたら、さっき西館で買った同人誌がこちらのとあるサークルで委託で売ってある!これならこっちで買えばよかったと後悔しながらも、黙々と予定をこなす。

●12:00~
再び西館へ。今朝モーニングコールをかけた知人から電話。こちらの状況を聞いてくる。前日にこの会場での待ち合わせを決めていなかったためだ。とりあえず西館での攻略を終え、東館の残りの攻略が終わったらまた電話するという旨を伝え、西館へ急ぐ。しかし皆急ぎすぎのような感じがする。禁止事項であるエスカレーターの駆け下りをやってるやつ数人がいて、準備会スタッフが大声で注意していた。以前まったくなかったという訳ではないだろうが、こんなふうに間近で見るほどになるとは思っていなかった。私もそうだが皆何を急いでるのだろう。

とにかく西館で残りのサークルをチェック。しかし欲しいものが無かったり。買う予定のものが無かったりで結局徒労に終わる。

●12:30~
もう一個残っていたエンゼルパイとエビアン一本を飲んで、三度東館へ。東456で買い残していたブツを買っていく。しかし最後に残ったサークルで予想外の自体が。行列に並び、やっと後一人というとこまで来たところ、眼前の人間が買うものに迷ってなかなかどいてくれない。両隣の列はすぐにはけていくのに私だけがなぜか10分以上待たされている。ついに私も「すいません、まだですか」と声をかけるが、周りがうるさいのと熟考しているせいで聞こえてないようだ。あきらめかけたころ、隣の列の人が順番を譲ってくれたおかげでやっと購入できた。その人のために淡々と本を購入し即座に離れる。

●13:00~
やっとこさ攻略を終え、知人に電話を入れようとするがなかなかつながらず、通話も途切れがちで情報が上手く伝わらない。お互いに携帯の電池が切れかけていたというのもあって、仕方なく知人がメールで待ち合わせ場所を指定してきた。なんとか彼の指定するサークルの場所へ赴き合流。さらにもう一人の知人が出しているサークルのブースへ赴き戦利品を渡し、挨拶を交わして会場を後にする。
知人といろんなことを話しながらワンザ有明へ赴く。彼の話ではとある販売制限をかけてるサークルへ並んだところ、隣の人間が「私の分も買ってくれませんか。お金は出しますから。」と持ちかけてきたそうである。販売制限をかけてもこういう形ですり抜けようとする。まさにいたちごっこである。

●14:00~
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まだ14:00というのもあってか会場入り口付近は人通りが激しい。さすがにくたびれた体を引きずるようにしてワンザ有明へ。昼食をとりながら戦利品を交換する。
なんとか落ち着いた後15:00ごろりんかい線に乗り込み大崎駅で知人と別れる。
大崎駅で山手線に乗り換え、16:00ごろ帰宅。
全身のカイロをはがし、服を脱いで風呂に入り、布団に倒れこんだ。

●万物持論
今回は他の一般参加者同様かなり急いでいたせいで、ほとんど写真が取れなかったため、今回は戦利品の紹介でお茶を濁すことにする。

a0007635_2042199.jpg●大鉄人17 MATERIAL
ごくごく一部でマニアックな人気を誇る、巨大ロボット特撮番組「大鉄人17」の本。
ファンなら納得の資料本である。とくにハスラー教授を演じた俳優「大月ウルフ」(ピアニストであるフジコ・ヘミングの実弟)に関するページが充実していたのが良い。


a0007635_20475428.jpg●KEEP OUTERS 2006
コミケ雑学系サークル大手の一つ「げんれい工房」の本。
工事現場や建設現場などで見かける「立ち入り禁止」などの看板に描かれた、記号的人物画の資料統計本。メッセージの種類や、人物の注意の促し方などで分類されていたりして面白い。


a0007635_2051314.jpg●秋葉に住む
オタクの街・秋葉原で住むことを前提に調査した内容を集めた本。ライフラインを維持するためのお店や、秋葉に帰る為の各主要駅での終電時刻、秋葉原の住居物件など細かく網羅。


a0007635_20531189.jpg●アニメとGun IX
アニメに出てくる銃器を切り口に、濃いミリタリー解説がなされている本。私はVol.1から買い続けている。ちなみにこの本を書いた人が別のサークルで出していた「戦争読本2」もなかなかいい本である。


a0007635_2056710.jpg●自明である vol.1
コンパスと定規のみを用いて、つまり円と直線を引くという手順だけで「正十七角形」を作図する方法が載っている本。ちなみにこの本を出しているサークルの方によると、この方法はかの天才数学者ガウスが導き出したそうで、ガウスはこの功績がたいそうお気に入りだったらしく、遺言で「墓に正十七角形を刻め」と残したそうだが、正十七角形というのはほとんど円に近い図形のためか実現しなかったそうである。
ちなみにこの本には他にコンパスと定規のみで作図する正五角形の手順や、複素数を用いてピタゴラスの定理(直角三角形の斜辺の長さの二乗は、他に辺の長さをそれぞれ二乗したものの和に等しい)の数の組み合わせを導き出す方法など数学オタクにはたまらないネタが載っている。


a0007635_2124582.jpg●Fairy
コミケ雑学系サークル大手の一つでオカルト物を扱っている「無極庵」の本。
要するに西洋の「妖精」を扱った本。
妖精というと蝶や羽虫の羽の生えた少女の姿を連想される方が多いかと思われるが、どちらかといえばあちらの「妖精」の概念は日本の「妖怪」の概念に近く、地火風水の元素の精霊や、悪や善を為す小人、想像上の動物など、簡単に理屈では言い表せないような森羅万象の出来事を具象化したものが多い。


a0007635_219688.jpg●ロボット残党兵 2
タイトルはおそらく日本の漫画黎明期の漫画「ロボット三等兵」が元ネタになっているであろう本。
でも内容はまったく別で、サイボーグ化された兵士たちの苦悩と葛藤を描いた、なかなか渋い内容の漫画になっている。できれば1巻も欲しかったが既に売り切れていた。残念。


a0007635_21162183.jpg●HAWAII 神社Walker
ハワイにある日本の神社ガイド。
どうやら明治や大正時代に日本人移民たちによって祀られたもののようである。
ハワイに出雲大社や太宰府天満宮、はては平等院鳳凰堂まであるなんてなんか意外である。



某ドラマのおかげでオタクといえば「萌え」という図式が定着したかに見える昨今ではあるが、コミケではこのように「萌え」とは無関係なものも存在する。いや、ひょっとしたらこれらもまた「萌え」の一側面なのかも知れぬ。
美少女(あるいは美少年)キャラへの「萌え」もかなり飽和に達したかのように見える現在、果たして次のコミケではいかなる「萌え」の形がオタクの世界を席巻するのであろうか。いかなる形で現れるにせよ、コミケではあらゆる形の「萌え」が許容される特殊な、そして現実的な空間でもある。
それはいわば「万物持論」ともいうべき世界ではなかろうか。

…とまぁかなりトンデモなことをのたまいながら今回のレポートを結ぶ。



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by AshikaRecord | 2006-01-01 21:39 | コミケ69冬コミ2005

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